少女Aいよいよ復刊!!(part2) |
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少女A
がでたのは1992年の9月。もう17年もまえのことだ。あれからの時間を数えると、そのときに生まれた子供がこの小説のなかの登場人物の年齢を追い越してしまっている。おそろしい話だ。
あとがきにも書いたけれど、この小説はぼくにとって初めて重版のかかった本で、love historyが売れるまで、この本がいちばん売れた本だった。といってもその数はlove historyの十分の一にも満たないのだけれど。
この本は最初福武書店、現在ベネッセとなったところからでた。たしか2000年頃まで流通していたはずだ。でもベネッセが一般の書籍の販売をやめたので書店から姿を消すことになった。
その後何度となくこの本を復刊させるため、やってみたのたけれど、なかなかそのタイミングが訪れなかった。福武書店でこの本を編集してくれた人はその後徳間書店に移ったので、それでこの本が今回徳間書店の文庫ででたということになるわけだけど、その経緯もいろいろとあって、なかなかたいへんだった。
それも結局昨年「チチ、カエル。」(元・両手のなかの海)が徳間文庫からでたことがなければ、叶わなかった。しかしその経緯もかなりいろいろとあって簡単ではなかった。
こうしてようやくほんとうについにこの日を迎えることができた。
じつは「チチ、カエル。」の表紙はぼくとしては人に堂々と見せたくなるものではない。でもこの本の表紙はとても気に入っている。これはぼくが探してきた写真で、これだ! と思ったものだ。「チチ、カエル。」もぼくがこれだ! と思うのがあったのだけど、わけあってうまくいかなかった。あのときは相当落ち込んだ。でも今回はとても満足している。これまでやってきたなかで、これだ! と思った本はlove historyの単行本がそうだった。そのとき以来の、これだ! だ。あのときlove historyがあの表紙でずいぶんと目立ってくれたように、今回もそうなってくれたらいいのに。
帯のコピーもいい。前回もよかった。で、今回もそれを踏襲してくれるようにいっておいたら、いつのまにか変わっていた。あれ、違うじゃないかと、一瞬むっとなったけど。いまの時代ならば、こっちのほうがいいね。
また解説をひこ・田中さんが書いてくれている。これはなかなか面白いし興味深い。ありがとう、ひこさん。
最近文庫はかつてほど安価ではない。この本も単行本よりは安いけれど、気軽に買えるような値段ではない。前回買ってくれた人にまた買ってというのも、なんだけど。でもお金に余裕がある(そんな人はなかなかいないか)ならぜひとも買ってください。お願いします。頼みます。これは悲願の復刊なのです。なんとかこれを少しでも手にとってもらって、まだまだ埋もれてしまっているぼくの過去の本に陽の光を浴びさせてやりたいというのもあるけれど。たとえば「ギラギラ」とか「サマロブシネマ」とか、そして「やんぐとれいん」とか。でもそれよりもやはり、これはいまでもいいんだよということをずっといいつづけてきたことが証明されて欲しいのです。
頼みます。お願いします。何度でも頼みます。ほんとうに。よろしく。
「チチ、カエル。」を昨年文庫化したとき、父親がニューハーフになって帰ってくるという状況は発売当時としてはとんでもなかったけれど、いまじゃそれもなんかわからなくない。そして、男子高校生が女装して女子高に通う(しかもその子はべつだん女になりたいとかいうのでなく)というのも、まあ、それほどヘンでもないかもしれない。いや、相当にヘンだけど。でも女装する男子というのはけっこういる世の中になりつつあるらしいし。とにかく時代はいろんものをOKにしたり曖昧にしていく。でも本質的なことはそれほど変わってないように思う。
この本の高校生活には携帯電話もメールもインターネットも援助交際もない。ようやくブルセラが現れつつあるくらいのときだ。でも本質は変わらない。男が草食系だとかなんとかいわれるようになったところで、男はやはりセックスあるいは精液をださないとやってられない生き物だ。その点は千年経っても変わらない。
この小説は現在なら草食といわれるある種の変装を女装というかたちでやったティーンエイジャーの女の子めぐりの話です。いまの時代だからこそ面白いんじゃないかといってくれる人もいる。ほんとうにそうなのかどうか。そうであって欲しい。
たぶんそれほどたくさん本屋さんに並ばないだろうし、また目立たないかもしれない。
でも見つけてください。お願いします。
やっと帰ってきました。長らくお待たせ。
お帰り、アイダナオ。きみがいまいるのは21世紀だ。